2019/6/20
何だかTwitterやSlackやブログや何やらで
「Railsで〇〇作ってみた」
っていうのをよく見かけるのだが、その中では
環境変数を扱うgemのdotenvをインストール
...ってちょっと待った!
確かにdotenv
もよくできたgemで以前はよく使われていたけど
今はRailsにEncryptedCredentials
っていう
すごい便利な機能があるじゃないか...
ということでEncryptedCredentials
について書こうと思う。
まずはこのプルリクを見てくれ。
簡単にまとめると
master key
で復号できる暗号化ファイルで一括管理しようmaster key
がなくても動くようにするよだいたいこんな感じでしょうか。
これの何がすごいかっていうと...
秘匿情報を暗号化してGit管理できる
ことなんですよ。
つまりチーム開発でそれぞれが全ての秘匿情報を設定せずとも
master key
の値さえこっそり共有できればOKなのです。
まぁ逆に言えばmaster key
が割れると丸裸なんですが...
そんなチョンボする人は流石にいないでしょう!
EncryptedCredentialsはRailsの標準機能なので
rails new
した段階で使えます。
ただしバージョンは5.2以降でないとダメです。
この機能自体がRails5.2以降のものですからね!
暗号化されたファイルを復号して編集するんですが、
そのためのエディタを設定しておく必要があります。
まだ指定していない人は指定しておきましょう。
以下はエディタにvi
を指定する場合です。
# ~/.bash_profile
export EDITOR="vi"
編集する場合は以下のコマンドです。
rails credentials:edit
この時、master key
が存在しない場合、自動で作られます。
次回以降編集する場合や、アプリケーション内で復号する場合必要になってくるので、間違えて消したりしないようにしましょう。
もし消してしまった場合、以下の作業のやり直しになります。
編集画面は以下のように先ほど指定したエディタで開かれているかと思います。
# aws:
# access_key_id: 123
# secret_access_key: 345
# Used as the base secret for all MessageVerifiers in Rails, including the one protecting cookies.
secret_key_base: 45c202c6f9...
サンプルが書いてあるので書き方はわかりやすいですね。
値を読み取るには先ほども言った通りmaster key
が必要です。
master key
はconfig/master.key
にあるので確認してみてください。
今回はサンプルのコメントアウトを外して呼び出してみます。
aws:
access_key_id: 123
secret_access_key: 345
# Used as the base secret for all MessageVerifiers in Rails, including the one protecting cookies.
secret_key_base: 45c202c6f9...
rails console --sandbox
Rails.application.credentials.aws[:access_key_id]
#=> 123
Rails.application.credentials.aws[:secret_access_key]
#=> 345
Rails.application.credentials.secret_key_base
#=> "45c202c6f9..."
どうでしょうか、慣れれば非常に簡単だと思います。
master.key
ファイルを共有できない場合
環境変数RAILS_MASTER_KEY
にmaster key
の値を渡すことで複合が可能になります。
export RAILS_MASTER_KEY="..."
注意点というほどでもないですが、
本番環境では以下の設定を有効化することが推奨されます。
# config/environments/production.rb
config.require_master_key = true
これはmaster key
の指定漏れを防ぐための設定で
master key
が指定されてない状態でサーバ起動を実行しようとするとエラーが発生します。
rails server
...
Missing encryption key to decrypt file with. Ask your team for your master key and write it to /xxx/my-app/config/master.key or put it in the ENV['RAILS_MASTER_KEY'].
Exiting
いかがでしたでしょうか。
ググって見つけた記事を丸々参考にして、作ってみるのもいいですが
Railsの標準機能にも目を向けてみるのも大切です。
意外と知られていない機能ですが、とても便利なのでぜひ使ってみてくださいね。